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ニュー・ワールド響とクリーブランド管のハイチ救援合同コンサート

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ニュー・ワールド交響楽団とクリーブランド管弦楽団のハイチ救援合同コンサート

マイアミはハイチに近いこともあり、様々にハイチの大地震に対する救援活動を行っていますが、マイアミを拠点に活動するオーケストラもハイチ救援のコンサートを開催します。

ニュー・ワールド交響楽団(ニュー・ワールド・シンフォニー)とマイアミ・レジデンシーが名物となっているクリーブランド管弦楽団の合同オーケストラ(125名)で、場所はニュー・ワールド交響楽団の本拠地リンカーン・シアター、指揮はフランツ・ウェルザー=メスト。

これはもともとクリーブランド管には、ニュー・ワールドに指導者として参加しているメンバーが何人もいてネットワークがあったこと、ティルソン・トーマスはかねてより他のオーケストラとのコラボ企画に取り組んでいて、過去にもクリーブランド管とサンフランシスコ交響楽団のコラボの実績があること等から実現の運びとなったのでしょう。

ニュー・ワールドのフェローたちにとっては、大きな学びのチャンスでもあります。

クリーブランド管弦楽団といえば、つい先日オーケストラの組合のストライキが大きな話題になったばかり。オーケストラがいくらがんばっても次々と問題が起きるのは、結局のところ、人口がピーク時の半分しかないクリーブランドでは、もうビッグ・オーケストラを支えきれないという厳然たる事実に尽きるのだと思います。

クリーブランドの都市が復活することも、おそらくもうないでしょう。なぜなら、製造業はそれに最適化された新興国等の地域にシフトし(グローバル化の意味するところ)、かつて先進国であった国は知識集約型のサービス業へシフトしているから。そしてそういう産業は、気候が温暖で高度な教育機関とセットになった場所(ベイエリアのようなところ)に集まる構造になってしまっているから。

それでもクリーブランドの人々にとって、「クリーブランドにはクリーブランド・オーケストラがある!」という誇りは、精神的支柱のようなものだから何としても守りたい。そこで葛藤が起きる。

そんな状況下、クリーブランド管が見つけた活路は、クリーブランド以外の拠点をつくることであり、その筆頭がマイアミ。マイアミは都市の規模が大きい上に、MTTのニュー・ワールドとクリーブランドでは、路線やレパートリーでバッティングもしない。

その他にレジデンシーを確保した場所は、ザルツブルグ音楽祭、ルツェルン音楽祭、ニューヨーク(リンカーン・センター)や大学等々。オーケストラ・メンバーにとっては、ツアーが多くて大変だろうなと思いますが、日本にも来ます(東京もうまくすれば拠点になれる?ウィーン・フィルとキャラがかぶる?アメリカのオーケストラは、いわば一都市一オーケストラで本拠地中心の活動をしてきたので、クリーブランドの試みは、これはこれで今までにないチャレンジといえる)。、、、というわけで、クリーブランド管にとってツアーは生命線。

皆さん、応援に行きましょう。

ハイチ救援の話が、クリーブランド管救援の話になってしまいましたが、

ハイチ救援コンサート

1月27日(水)20:00 リンカーン・シアター

プログラム:
Barber: Adagio for Strings
Elgar: Nimrod from Enigma Variations
Beethoven: Leonore Overture No. 3
Tchaikovsky: Symphony No. 4

指揮:
Teddy Abrams (ただ今ニュー・ワールドで修業中)
Franz Welser-Möst

チケット: 35ドル
(ハイチの医療救援のNGOに寄付)

クリーブランド管弦楽団の赤字、賃金交渉等の話は
http://www.cleveland.com/
で検索すると、山のように記事が出てきます。ニューヨーク・タイムズ等でも大きく取り上げられています。

(2010.1.24)

Tag: ニュー・ワールド交響楽団

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