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日本が世界に誇る音響設計家 豊田泰久氏にお会いして

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日本が世界に誇る音響設計家 豊田泰久氏にお会いして

今回マイアミで、フランク・ゲーリーと組んでニュー・ワールド交響楽団のコンサートホールを手掛けた、株式会社永田音響設計の豊田泰久氏にお話を伺うことができました。

豊田氏は音楽ファンには説明不要ですが、サントリーホール、札幌コンサートホールKitaraなど数々のコンサートホールで高い評価を得、そしてフランク・ゲーリーと組んだロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホールの大成功により、世界中のコンサートホールのプロジェクトでひっぱりだこ。一流の指揮者や演奏家からあつい信頼を受けていらっしゃいます。

現在はロサンゼルスを拠点に、Nagata Acoustics America, Inc. のプレジデント。

お会いする前は、私は音響設計というのはホールの響きのコントロールやどこで聴いても細かい音までクリアに聴けること等、技術的に「よい音」のホールをつくることなのだろうと思っていたのですが、そうした事柄は前提としてあるものの、お仕事の本質的部分は違っていました。

豊田氏は、音響の面から演奏家とともに音楽をつくることに注力されていました。

オーケストラの奏者が自分の音を聴くことができること、周りの音をきちんと聴いた上で自分の音を出せること。そうしたことが本当に調和したハーモニーを生み出すこと。

ホールはそういうことを可能にするよう作られているそうです。

お話をお聞きして、音響的にハイレベルに完成したホールというのは演奏家にとっても、自分の全身が映った鏡を見るように自分自身と向き合うことや自らのありようの変革を迫るものなのだろうと思いました。

特にニュー・ワールド交響楽団は、今まで音響条件の良くないホールで活動してきたため、ホールに慣れて音を聴いて演奏できるようになるまでには、もっと時間が必要なのでしょう。

当初の予定では6月にホールを完成させて、半年間いろいろ試して慣れてからオープンする予定だったのですが、工事の都合で11月近くに初めて音だしできたそう。

LAフィルもディズニー・ホールが出来た頃は、目いっぱい弾いていたのですが、ホールに慣れるにしたがって力を入れなくてよいことに奏者たちが気づき、オーケストラが格段に良くなったとのこと。

ホールがオーケストラを育てるという理念でお仕事をされていました。

これらは私が今まで持ち合わせていなかった視点であり、お話させていただき非常に勉強になりました。

今後、ニュー・ワールドに続いて、ヘルシンキやカンザスシティのコンサートホールのオープンが予定されているとのこと。益々のご活躍をお祈り申し上げるとともに、豊田ご夫妻の数々のご厚意にあらためて御礼申し上げます。

永田音響設計ウェブサイト
ニュー・ワールド・シンフォニーの起工式のときに豊田氏が書いた記事
(ニュースレター)

豊田氏の新しい作品であるオレンジ・カウンティのコンサートホール
ロサンゼルス・タイムズ

(2011.1.29)

追記

豊田氏がニュースレターでニュー・ワールド・シンフォニーのホールの完成を報告
(潮とこのサイトのこともご紹介下さっています)
永田音響設計 News 11-02号 

(2011.2.25)

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