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パーヴォ・ヤルヴィ&シンシナティ交響楽団を聴く

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パーヴォ・ヤルヴィ&シンシナティ交響楽団を聴く

開演に先立ちまして

演奏に先立ち、本日の演目についてヤルヴィが語っているビデオ(ウェブで見られるのと同じもの)を短く編集したものをスクリーンに流します。

いつもながらヤルヴィは視線が宙に浮いている。MTTみたく、待ってましたとばかりにカメラ目線で俳優みたいにしゃべるのも極端な例だけど。

演奏について

ホール内部

Tormis

1曲目は、TormisのOVERTURE NO.2

現代ものですが、耳障りがよくて聴きやすい音楽。私には、「あんたがたどこさ」とシベリウスの交響曲第2番とX-ファイルの音楽を足して割ったように聴こえました。

この曲はショスタコ10番とカップリングでCDを出すために録音していたのですが、最後にジャンと二回鳴ってから休符があって、もう一度ジャンと鳴って終わる。ところが二回のジャンの後で拍手が入ってしまい、ヤルヴィがまだあるみたいなジェスチャーをして拍手を止めようとしたら、逆効果で笑いが起きてしまいました。録音なのにどうするのでしょう?このプログラムの公演は3回あったのですが、あの調子じゃ、3回とも拍手が入っているのでは?そこだけ録り直し?やっぱりサロネンがやっていたみたいに、「終わったと思っても続きがありますから」まで、あらかじめ言っとかないとダメかも。

でもこんなことで「きっ」となったり、ムカついていてはアメオケではやっていけないのです。演奏する方も、聴きに行く方も。

ブルッフ

2曲目ズーカーマンをゲストにブルッフのヴァイオリン協奏曲。

私は生でズーカーマンを聴いたのは初めてなのですが、とても太い音で大きく歌う演奏でした。超絶技巧冴え渡るという感じは受けませんでした(細かいパッセージが怪しかった)。

気のせいか、ズーカーマンの音程とオケの音程との座りがイマイチだったような。

でもズーカーマンがシンシナティに登場するのが10年ぶりとかで、お客さんは大喜び。アンコールにヴァイオリンメンバーの楽器を借りて、アメリカ民謡みたいなのを弾き(曲名思い出せない)、最後あと一音というところで、弾くのをパッとやめて、場をわかせていました。

モーツァルト

3曲目はモーツァルト交響曲第39番。

1楽章は、ふわっと音が立ち昇る感じまでもう一声という気がしましたが、2、3、4楽章はよくできていたと思いました。疾走するテンポや、きびきびした表現がヤルヴィらしい。

P.ヤルヴィ&シンシナティコンビの印象

オーケストラは、個々の技量やアンサンブルにけちをつけるところは何もありません。ヤルヴィの下、方向性がしっかりしているように感じました。音楽はヨーロッパのイントネーションで話すユニバーサルなオーケストラという印象。

お客さんとの距離が近くて、みんなが一緒に音楽を楽しむ場という雰囲気でした。

それにしても、アメリカには、こういうレベルのオーケストラが20くらいあるのだと考えると、あらためて国の大きさを感じます。

(2008.4.26)

シンシナティ交響楽団の工夫 へ続く

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Tag: コンサート

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